骨とコラーゲン
丈夫でしなやかな骨をつくるのに、大部分が線維状のたんぱく質であるコラーゲンが欠かせません。骨は、コラーゲンの線維を網の目のように張り巡らし、これをムコ多糖たんぱく質(プロテオグリカン)という糊で固めます。その骨組みにカルシウムやリンなどを沈着させます。
骨の成分の約80%はカルシウム、リンなどの無機質です。 残りの20%は有機質で、そのうちの90%がコラーゲンです。私たちの体のカルシウムの99%は骨にあります。残りの1%は血液などの体液の中にあります。体液のカルシウムは、リンパ球に活力を与えたり、ホルモンの量の交通整理をします。
骨以外の1%のカルシウムが足りなくなると、骨のカルシウムが溶け出して応援にかけつけます。足りなくなる一方のときには、応援も大車輪になり、骨のカルシウムがどんどん血液の中に動員されて失われることになります。
骨がつくられる仕組みには、二通りあります。
一つは、成長期に軟骨からつくられる仕組みです。これは骨に長さを加えます。どんどん身長が伸びていき時期は、骨が盛んにつくられる時期です。
大人になると、骨は骨膜の下から新しくつくられて、その太さを保ちます。
骨は、常に新しくつくられ、一方では、古くなった骨は破壊され、血液中に再吸収されます。
骨の一生をみますと、成人になるまでは、次第に強く太いものになっていきますが、あとはだんだんと衰えていきます。しかし、老化の速度に個人差があるように、骨の老化にも個人差が生まれます。
まわりを見回してみても、同じ年代の人でも、腰が曲がってきたり、いつも腰痛を訴える人もいれば、姿勢が良くて元気に歩いている人もいます。
コラーゲンの補給をこころがけないかぎり、年を重ねるとともに、鉄筋の骨組みにあたるコラーゲンの線維が老化して不自然な架橋をつくります。架橋が張り巡らされると同時に、コラーゲンの新陳代謝も衰えて、どんどん分解され吸収されていきます。
その結果、コラーゲンの組織は弾力性をなくすとともに粗くなり、隙間ができてカルシウムやリンがくっつきにくくなります。
このような状態では、骨の組織が粗くもろくなってきます。大根にスが入ったように、骨がスカスカになってきます。これが骨粗しょう症です。このような状態では、加わる力に対応できなくなり、曲がったり、折れやすくなります。
女性ホルモンのエストロゲンが少なくなると骨の分解・吸収がすすみます。閉経後の女性は、エストロゲンの分泌が激減しますので、骨が弱くなるのに拍車がかかります。
こんな状態の骨では、倒れたはずみで手をついただけで手首を骨折したりします。また、大腿部の付け根を骨折して、長い入院生活を余儀なくされてしまいます。骨折により動けなくなるため、脳細胞の間に存在するコラーゲンに刺激が加わらなくなり、コラーゲンが老化して脳細胞の老化をまねき、痴呆が発生することが多いことも指摘されています。
骨を強くするために、コラーゲンの骨組みを強くしましょう。そして、壁の材料に相当するカルシウムやリンを十分に補給しましょう。
骨は、体の構造をつくるとともに、中心部の骨髄で血液をつくります。
骨の機能が衰えてくれば、健康な血液もできなくなります。血液は全身の細胞に、酸素や栄養素を配給しています。その運搬役の機能の衰えと運行が十分でないと、十分な酸素と栄養などが行きわたらなくなります。
こうなると当然、コラーゲンの新陳代謝の材料のアミノ酸類も届かなくなります。このようにして、骨の老化が全身の老化をまねくことになります。私たちの体を構成しているすべての細胞は、血液という名のスープによって生かされています。
毎日、コラーゲンを十分に摂り、骨の働きをいつも若々しいものにしましょう。
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